展示

『ジャパン・エフェクト:15のファッションエピソード』展

1950年代から2020年代にかけての日本のファッションにおける変遷を、貴重なデザイナー作品を通して紹介。日本人の感性や美意識を描き出しながら、その影響を紐解きます。

会期

2024.05.07―2024.09.01

火曜日~金曜日

10時~18時

土曜日・日曜日・祝日

10時~19時

入館料

無料

オンライン予約(オプショナル)

Agendamento online antecipado (opcional)

アクセシビリティプログラム

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『ジャパン・エフェクト:15のファッションエピソード』展

世界のトレンドを敏感にとらえながら、独自の感性で新たなトレンドを創出し世界へと発信する日本デザインのパワーを、日本を代表する著名なデザイナーによる15点の作品を通して紹介。時代や世代から生まれるトレンドや、その影響を紐解きます。本展の監修は、ファッションディレクターとして活躍し、TOKYO 2020のメダルセレモニーの衣装デザイナーとしてジャパン・ハウス サンパウロでも講演いただいた山口 壮大氏が務めます。

本展は、1950年代から現代までの日本のファッションデザインの変遷を一望できる貴重な機会です。社会を映す鏡と形容されるファッションデザインの潮流を通して、時代を眺める日本の感性をご覧ください」と山口氏は語ります。

会場では第二次世界大戦後に着物から洋服へと移行する転換期から、日本を代表するデザイナーによる貴重な作品を通して、日本人デザイナーの国際的な舞台での認知、日本のストリートファッションが世界に与えた影響、そして現代のトレンドとも言える最新テクノロジーを活用し、サスティナビリティに配慮した素材の台頭、ミニマリズムやジェンダーなどの複雑かつ多様な個性を表現しながら世界を舞台に活躍する新進気鋭のデザイナーなど、日本と世界の社会的背景やファッションにおける歴史的な事象を年表で紹介します。

ジャパン・ハウス サンパウロ企画局長ナターシャ・バルザギ・ジーネンは「本展で紹介されているデザイナーの多くは、イノベーションとクリエイティビティで日本のファッションを世界的に広く認知されるまでに引き上げたことで知られています。来館者の皆さまも聞き覚えのある名前が必ずあるでしょう。これまでにジャパン・ハウス サンパウロの活動にご協力いただいたデザイナーたちも含まれています。また、本展のテーマをより深く理解していただくため、多彩なサイドプログラムを展開する他、近々、日本のファッションをさまざまな視点から紹介する展示をGFにて開催する予定です」と語りました。

 

展示作品が紐解く歴史について

1950年代、戦後の日本では機能面、衛生面、経済面といった観点で着物と洋服を見つめ直し、試行を重ねていました。会場に展示される最も古い作品は、綿を天然色素で染色し沖縄の伝統的な織物技法で織られた“琉球絣”の着物生地を接ぎ合わせて制作した作品です。この作品は、日本で本格的にファッションショーが普及し始めた頃に制作され、着物から洋服へとファッションが移り変わる日本の時代背景を反映しています。

1960年代に差し掛かると、ストレッチ性の高い合成繊維の台頭により徐々に洋服が主流となる中で、日本らしいファッションデザインへの挑戦が始まりました。縮緬調のポリエステル生地を肩線で切り替えることなく一枚で仕立てたドレスや、アジア人デザイナーとして初めてパリ・オートクチュール組合正会員となった森 英恵氏の最初期のオートクチュール作品のひとつである、竹柄模様のエレガントな作品を展示します。

1970年代では開放的なムードの中、和洋折衷のスタイルが人気を博した背景から、オリエンタリズムが復興しました。ダーツを無くし、着物のように直線裁ちした「アンチクチュール」と形容された高田 賢三氏の作品の他、日本の玩具である凧絵のモチーフを歌舞伎の衣装構造をもとにジャンプスーツへと大胆にデザインした山本 寛斎氏の作品が並びます。

1980年代には、高度経済成長からバブル景気を反映した過剰なファッションが台頭した一方で、西洋のエレガンスを真っ向から否定したセンセーショナルな“ジャパンショック”が生まれました。「貧乏ルック」とも揶揄された、大胆なドレーピングや粗野なウールを幾重にも重ねた脱構築的な作品を展示する他、日本のかわいいカルチャーの源流でもある、繊細なプリーツ、レース、フリル、アップリケをあしらった贅沢でボリューム感のある装飾的なニューロマンティックなスタイルを紹介します。

1990年代以降は、日本のストリートファッションが世界的な注目を集め、多様なカルチャーをリミックスしたスタイルや、高度な加工技術を用いたエモーショナルなデザインが流行しました。MIYAKE DESIGN STUDIOを経た菱沼 良樹氏は、ポリエステルの熱可塑性を利用し日本古来の絞り技法で作品を制作。優雅でありながら、気軽に着用出来るイージーケアな作品を陳列しています。

2000年代以降は、サスティナビリティに配慮したミニマリズムなデザインや、ジェンダー等の複雑な個性をブリコラージュで表現したデザインが頭角を現します。異なる質感の様々な素材をハイブリッドに継ぎ接ぎした作品や、アシンメトリーなフォルムに乱雑にステッチワークを施し美しさそのものからの脱却を試みた作品。服作りのプロセスを変革し、着る人がデザインを生み出すことを目的とした作品。過去にジャパン・ハウス サンパウロの活動にも協力いただいたANREALAGEの、デジタルとアナログを卓越した手作業で横断した前衛的なパッチワークの作品などもラインナップしており、ますます多様化する現代の日本のファッションの変遷を一望いただける内容となっています。

JHSPのアクセシビリティプログラム

『ジャパン・エフェクト:15のファッションエピソード』展では、JHSPアクセシビリティプログラムの一環として、音声、手話ガイド、触覚により鑑賞できるアクセシビリティツールもご用意しています。

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『ジャパン・エフェクト:15のファッションエピソード』展

開催期間: 2024年05月07日~2024年9月01日 
入場無料 
※展示はアクセシビリティ対応をしています。

オンライン事前予約(オプショナル): https://agendamento.japanhousesp.com.br

会場:ジャパン・ハウス サンパウロ 2階
住所: パウリスタ大通り52番地

開館時間: 
火曜日~金曜日 10時~18時
土曜日・日曜日・祝日 10時~19時

月曜日は閉館日となっております。祝日が月曜日の場合でも、閉館となっております。

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