DAISY BALLOON – 『バランス』展

終了した展示

28/09/2021 - 28/11/2021

自然のサイクルと時間の流れを再認識させるインスタレーション

360度見渡すことのできるバーチャルツアーで展示を訪問

ジャパン・ハウスサンパウロにて、バルーンを用いたデザインを手がけ世界を魅了している日本のアーティストユニット「DAISY BALLOON」による『バランス』展を2021年9月28日から11月28日まで開催します（入場料無料／GF）。本展では、9,000個以上のバルーンを用いて制作したインスタレーションを紹介。バルーンアーティスト・細貝里枝氏とアートディレクター兼グラフィックデザイナーの河田孝志氏からなるユニット「DAISY BALLOON」のラテンアメリカでの初となる本展は、自然のサイクルからインスピレーションを得ており、作品を通して日々変化する必然的な時間の流れを表しています。

光とオーロラの輝きに包まれて

ジャパン・ハウスサンパウロの大きな展示スペースに、横浜風船株式会社と共同で開発したバルーンを用い、幅11メートル、高さ3メートルの大型のインスタレーションを制作。バルーンの外面には積層偏光フィルムを使用し、インスタレーションに光が当たり反射すると、空間はまるでオーロラのような輝きを放ちます。本展は、有機的な形と人工の素材によって生み出されたコントラストが特徴となっています。

「この作品は水循環のようにバルーンが蒸発する雨粒であり雲を形成してまた降雨し、地面に戻るというサイクルを想起させます」とキュレーターを務めたジャパン・ハウスサンパウロ企画担当局長ナターシャ・バルザギ・ジーネンは語ります。

ユニークな没入型展示

これらのインスタレーションは、ヴィジュアルインパクトをもたらすだけでなく、導線に沿ってインスタレーションの間を巡ることにより、作品自体を体感する没入型の展示となっています。

「バルーンは自然に少しずつしぼんでいきます。この繊細な変化を体験することによって普段とは違う時間の流れを感じます。またこの作品には、詩的な時間の流れを通して「調和」や「和」などの日本的な要素も感じられます。バルーンを用いることにより、自然の原理と必然的でありながらも、それに抗う性質を表現し、なぜか心を惹きつける人間の二面性にもフォーカスを当てています」とナターシャ・バルザギ・ジーネンは述べています。

DAISY BALLOONについて

DAISY BALLOONは、バルーンアーティスト・細貝里枝（1976年）とアートディレクター兼グラフィックデザイナーの河田孝志（1976年）からなるアーティストユニットです。2008年結成以来、人間の知覚を研ぎ澄まし、さまざまな物質性を探究することをテーマに数々の作品を制作。彼らの日々の研究は、哲学的なテーマに基づいて、人や物と対話することで成り立っています。彼らの作品の指針となっているのは、人間とそれらを取り巻くすべての物との間に生まれる本質的な調和に達するための探求です。 DAISY BALLOONは2013年、アイスランド人歌手・ビョークが着用した「DNA Dress」をきっかけに世界の注目を浴び始めましたが、それ以前から大規模なインスタレーション、広告ヴィジュアルや衣装まで多岐にわたり作品を手がけ、建築物を彷彿とさせる複雑なディテールで人々を魅了しています。