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Mille Arbres

残りの会期1か月を切った『FUTURES OF THE FUTURE』展 では、建築家・藤本壮介氏の独創的な作品群を通じて、人々と建築、そして自然の関係性における、その豊かな創造力を提示しています。その一例とも言える作品が、パリでの建設が計画されている”Mille Arbres”です。

Mille Arbresはパリでの新しい暮らし方を提案しています。このプロジェクトは建物の屋上に住居を設け、地階は公園を維持できるように設計し、近隣住民とのウェルビーイングな要素を重視しています。また、オフィス施設だけでなくホテルや、屋内のレストラン街、バスの発着機能を持ち合わせ、外出の際のアクセスにもその多彩さを発揮できる構造になっています。

都市公園の部分は、ところどころ高くなっており、ビルの低層部機能とうまく連結できるようになっています。地上階と行きかいながら森のエコシステムを体験できる、生物多様性のための歩道も設置され、さらに様々な文化イベントを催す円形のイベントスペースも設けられているのです。屋内の通りはフードコートになっており、この建物の中心地になるとも言えるでしょう。

逆ピラミッドの部分にはホテルやオフィスが構え、建物内部に自然光が入るようになっており、この建物の様々な角度・側面が見えるような仕様にしています。それはまるで、道と空がつながっているかのような感覚を呼び起こすものです。高層部には127世帯が入居できるようになっており、世界中のバイオロジー素材を結集させて造られた最初のレジデンスといっても過言ではないほどのものです。

Mille Arbresは、相反する空間・交錯と複雑の融合を統合させ、さらに最適化させるというストラテジーを体現しました。都市の時代変化にも対応し得る、可変性と柔軟性を擁した非常にチャレンジングなものなのです。

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