- 会期
2022.07.12―2022.10.02
- 火曜日~金曜日
10時~18時
- 土曜日
9時~19時
- 日曜日・祝日
9時~18時
- 入館料
無料
- オンライン予約(オプショナル)
360度見渡すことのできるバーチャルツアーで展示を訪問
『不可視なモノ_ ライゾマティクス』展
ジャパン・ハウス サンパウロではアートとテクノロジーの融合による『不可視なモノ_ ライゾマティクス』展を7月12日から10月2日まで開催します(GF/入館無料)。
「新しい領域を切り開き世界をより面白くする」という使命感と野望を持って2006年に設立されたライゾマティクス。リオ2016大会閉会式では、次期開催の東京2020へのフラッグハンドオーバーセレモニーにて印象的なテクノロジーパフォーマンスを展開し、脚光を浴びました。ブラジル初となる本展では、最新のテクノロジー、斬新かつ緻密なデータ分析を活用し、人とテクノロジーの関係を探究するプロジェクトで世界的な注目を集める日本のクリエイティブ集団「ライゾマティクス」の数々の作品を通して、日本の最新メディアアートの世界を紹介します。会場では、「Sensing Streams 2022 – invisible, inaudible」(坂本龍一+真鍋大度)、「Optical Walls」、「“Gold Rush”‐Visualization + Sonification of OpenSea activity」に加え、「ライゾマティクス」が15年間に生み出した様々なデバイスを展示する「Rhizomatiks Archive & Behind the Scenes」の4つのインスタレーションを紹介しています。
様々な体験型展示
本展では、作品を体感することで様々な体験をすることができます。「Sensing Streams 2022 - invisible, inaudible」は、「ライゾマティクス」主宰のひとりである真鍋大度氏と、「戦場のメリークリスマス」でアカデミー賞作曲賞や英国アカデミー賞を受賞、ジャパン・ハウス サンパウロのオープニングイベントも飾った日本人音楽家・坂本龍一氏によるコラボレーション作品です。10 m²以上の大型LED高画質モニターとスピーカーを通して、リアルタイムでアンテナが感知した電磁波を可視・可聴することができます。このインスタレーションでは、手動で操作するデバイスを使い、電磁波の周波数や波長を変えることで作品との対話を楽しめます。
また、スマートフォンを含め、その場に存在するデバイスの電磁波によってリアルタイムで映像や音が変化。「この作品は、現代において必要不可欠なインフラでありながら普段気付くことのない電磁波の流れまたはフローを顕在化させると同時に、携帯やスマートフォンを通して、能動的に関わっていることを反映しています」と真鍋氏は語っています。
光のエフェクト
ハードウェアエンジニア坂本洋一氏と三井化学とのコラボレーションによる作品「Optical Walls」では、スモッグで満たされた暗闇とLEDに取り付けられたレンズに光が通過することにより、何もない場所に光で区切られた空間を創出。
拡散光のLEDの光がoptical wallsを通過することで、直線光に変換され、光の壁が浮かび上がり、暗闇の中でドアが開くように見えます。「普段、私たちが複雑だと思っている多くの自然現象は意外と簡単な構造を持っています。例えば、四季や環境の変動は地球が太陽の周りを回る時の軸の傾きによって発生しています。日常生活では忘れがちですが、わずか23.5度の傾きが、私たちの家であるこの惑星に驚くべき変化をもたらしているのです。この作品は、そんなシンプルな自然の原理を表現しています。回転する光が直線光に変換され平面上に拡散する仕組みです。人口的なものを使って自然現象とその法則を表現し、万華鏡のような眩い光のエフェクトを生んでいます」と坂本氏はコメントしています。
“現代のゴールドラッシュ”
また、デジタル領域、特にNFT(代替不可能な暗号資産)とCryptoArt(クリプトアート)と呼ばれるデジタルアートにフォーカスを当て、“現代のゴールドラッシュ”における課題や今後のヴィジョンを問いかける「“Gold Rush” – Visualization + Sonification of Opensea activity」も展示。このインスタレーションは、「ライゾマティクス」のCryptoArtを購入することができるマーケットプレイスとして独自に開発したプラットフォーム“CryptoArt Experiment”を用いた研究に基づいています。
経済、テクノロジーとアートの領域を横断するこの作品は、アメリカ人アーティストBeepleとして知られるマイク・ウィンケルマン氏の“エブリーデイズ : 最初の5000日間”が約6935万ドル(約75億円)で落札されたNFTの歴史的瞬間とも言われる2021年3月11日の前後24時間の記録となっています。真鍋氏は、現実世界のアートマーケットが持つ風景とは全く異なる倫理、法則、構造によって構築されたNFT特有の美学を追求するため、前述の作品がオークションにかけられた日の前後24時間におけるNFTの取引プラットフォーム「Opensea」NFTの取引を分析、可視化を行いました。
本展のキュレーションを務めたジャパン・ハウス サンパウロ企画局長ナターシャ・バルザギ・ジーネンは、「現在注目を集めているNFT、クリプトマネーやブロックチェーンだけではなく、バーチャルとの関係におけるダイナミックさや可能性を表現しています」と語っています。
「Rhizomatiks Archive & Behind the Scenes」では、2006年から2021年にかけて「ライゾマティクス」が日本国内外で展開したコラボレーション作品、プロジェクトや研究を紹介。映像、オリジナルデバイス(ドローンやその他の機材)や資料を通して、トライ&エラーからユニークな作品を生み出しているライゾマティクスの舞台裏を垣間見ることができます。
ライゾマティクスの探求
「リアルとバーチャルの最先端を行く実験的なプロジェクトを実行し、新しいテクノロジーと表現の可能性を探求している“ライゾマティクス”を紹介するのは、かねてからの願いでした。本展のために厳選した4つのインスタレーションを通してバーチャルとリアルを自由に往来することで、R&D(研究開発)要素の強い実験的プロジェクトを展開するクリエイティブ集団の様々な側面をご体感いただけると思います。
また、本展ではウェブアプリを活用し、作品に用いられているテクノロジーや科学など、「ライゾマティクス」をより深く理解することができる情報を閲覧することができます。他にも、画像、映像などの専門家へのインタビューや、「ライゾマティクス」の軌跡を紹介します。さらに、真鍋氏が本展のために作成したSpotifyの音楽プレイリストも用意されています」とジーネン企画局長は語っています。
JHSPアクセシビリティプログラム
ジャパン・ハウス サンパウロでは、JHSPアクセシビリティプログラムの一環として、音声、手話ガイド、触覚より鑑賞できるアクセシビリティツールもご用意しています。
ライゾマティクスについて
ライゾマティクスは、 技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に、R&Dプロジェクトや作品制作、外部のアーティストや研究者とのコラボレーションプロジェクトなどを通じて、カッティングエッジな表現作品、研究を発表しています。アート、メディア、広告、エンターテインメント、建築、都市開発からソフトウェアやハードウェアの開発・オペレーションなど、幅広い分野でリアルとバーチャルを横断しながら活動しています。
日本の音楽グループであるELEVENPLAYやPerfumeのライブ演出の他、リオ2016大会閉会式では、バーチャルリアリティとCGを融合したライブパフォーマンスが話題となりました。
案内
『不可視なモノ_ライゾマティクス』展
開催期間:2022年7月12日~10月2日
入場無料
※展示はアクセシビリティ対応をしています。
オンライン予約(オプショナル): https://agendamento.japanhousesp.com.br/
会場:ジャパン・ハウス サンパウロ
住所: パウリスタ大通り52番地
開館時間:
火曜日~金曜日 10時~18時
土曜日 9時~19時
日曜日・祝日 9時~18時
月曜日は閉館日となっております。祝日が月曜日の場合でも、閉館となっております。