展示

『KUMIHIMO: The Art of Japanese Silk Braiding by DOMYO』展

1652年から代々にわたり東京で手作業の糸組を生業としている「有職組紐道明」を迎え、絹糸から紐を組み上げる組紐の歴史と進化を紹介します。

会期

2022.05.24―2022.10.23

火曜日~金曜日

10時~18時

土曜日

9時~19時

日曜日・祝日

9時~18時

入館料

無料

オンライン予約(オプショナル)

https://agendamento.japanhousesp.com.br/agendamento

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360度見渡すことのできるバーチャルツアーで展示を訪問

 

『KUMIHIMO: The Art of Japanese Silk Braiding by DOMYO』展

 

ジャパン・ハウス サンパウロにて『KUMIHIMO: The Art of Japanese Silk Braiding by DOMYO』展を5月24日から10月23日まで開催します(2F/入館無料)。ブラジル初となる本展は、東京に店舗を構え、10世代以上にわたって専属の職人による伝統的な手作りの組紐を創り続けている「道明」による企画展示です。

本展は3つの大型インスタレーション、歴史的な組紐の復元品30点、職人が使う道具や映像(アクセシビリティ対応)を通して、組紐の歴史と進化を紹介します。『KUMIHIMO: The Art of Japanese Silk Braiding by DOMYO』展はジャパン・ハウス巡回企画展として企画され、ロサンゼルスで開催。今回のサンパウロでの実施後は、ロンドンへと巡回開催されます。

「紐を組む」

日本語で組紐は「紐を組む」という意味です。3本以上の絹糸が規則的に交差し重なることによって作り出されます。組紐には、3本の糸だけで組まれるシンプルな紐(フレンチブレイド)から140本以上もの糸を使った複雑なものまであります。

日本の組紐は何世紀にもわたって服飾品、武器や鎧の装飾品など様々な用途に使用され、独自の進化を遂げてきました。特に、着物の帯の上から結ぶ帯締は今でも日本人にとって馴染み深いものです。

 

組紐の歴史、構造と未来

本展では、組紐の概念や世界の様々な文化における組紐なども紹介しながら、「歴史」、「構造」、「未来」の3つのテーマで構成、ジャパン・ハウス サンパウロの新設スペース100 m²を含めた2Fギャラリーにて開催されます。

「歴史」では、組紐の発祥と何世紀にもわたり進化し続けているその発展の過程に焦点を当てます。「構造」では、職人が組紐作りに使う丸台(主に四角い紐を組む台)、高台(主に平たい紐を組むのに適した台)、染めや糸の準備に使われる道具や制作工程を通して、組紐の構造を紹介。最後の「未来」のテーマでは、近年「道明」が制作した最も先進的な組紐構造の展示をはじめ、衣服や数学を専門とする他分野のスペシャリストとの共同作業による作品制作を通じて、未来に向けて追及した組紐の様々な可能性を紹介します。

組紐の強度と伸縮性

組紐は強度や伸縮性に優れており、これらの特徴は糸の組み方や糸が交差する角度によって変わります。組紐を用いたカーボンチューブ構造が、ゴルフクラブ、飛行機や義肢などに広く取り入れられています。

今回の展示では、折り紙によって作られる展開メカニズムや微分幾何学を基に特徴的な性質を持つセル材や構造などを研究開発している、 東京大学の舘研究所と共同で組紐の位相幾何学的モデルを制作。この共同研究は、様々な現象を分析し、再現することで形と機能の理解を深め、グラフィックパターンの構築、立体構造、機能システムなど組紐の数学的な可能性を広げることを目的としています。

 

組紐の進化

古くは縄文時代(約5000年から6000年前)の土器に、組紐で模様が施されていました。その後日本における組紐は、飛鳥時代(592年から710年)から独自の進化を遂げたとされ、武器や鎧の装飾品、着物、儀装、宗教や舞台芸術など多岐にわたる分野で使われていました。現代では、スタイリスト 長谷川彰良氏(1989年)が組紐をファッションに取り込んでいます。

「私の仕事は100年前の感情を今に伝えることです。昔の衣服が持つ構造的な美や心地よさを原動力にしています」と長谷川氏は語っています。

 

脈々と受け継がれる伝統

「日本の重要な無形文化財である組紐の技と、1652年から継承され続けている有職組紐道明の経験や知識を来館者に紹介することは、私たちにとってとても大きな意味を持っています。今回の展示は、現代の日本に受け継がれている伝統やその進化を発信するというジャパン・ハウスのミッションそのものです。日本とブラジルの関係を強く“組む”シンボルとなるでしょう」とジャパン・ハウス サンパウロ企画担当局長ナターシャ・バルザギ・ジーネンは語っています。

JHSPのアクセシビリティプログラム

ジャパン・ハウス サンパウロでは、JHSPアクセシビリティプログラムの一環として、『KUMIHIMO: The Art of Japanese Silk Braiding by DOMYO』展では音声や手話ガイド、触覚により鑑賞できるアクセシビリティツールもご用意しています。

道明について

有職組紐道明は、1652年に江戸(現在の東京)で創業されて以来、上野池之端に店舗を構えています。

江戸時代には糸商を生業とし、特に刀の鞘や束に付ける紐を販売していました。明治時代(1868年から1912年)に入ると、着物の帯の上から結ぶ帯締、羽織の衿につける羽織紐の販売を始めました。道明は創業されてから現代に至るまで 、自社職人の手染めと手組みにより組紐を製造しています。正倉院、宮内庁をはじめとする各地の神社、寺院や博物館の依頼を受けて行ってきた、歴史的な組紐の調査研究と復元模造も重要な活動の1つです。

こうした活動を通して、多彩な技術、知識を蓄積し、その研究、保全、継承を通して組紐文化の発信・発展に貢献しています。

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『KUMIHIMO: The Art of Japanese Silk Braiding by DOMYO』展
#KumihimoNaJHSP #DomyoNaJHSP

開催期間: 2022年5月24日~10月23日
入場無料
※展示はアクセシビリティ対応をしています。

オンライン事前予約(オプショナル): https://agendamento.japanhousesp.com.br

会場:ジャパン・ハウス サンパウロ 2F
住所:
 パウリスタ大通り52番地

開館時間:
火曜日~金曜日 10時~18時
土曜日 9時~19時
日曜日・祝日 9時~18時

月曜日は閉館日となっております。祝日が月曜日の場合でも、閉館となっております。

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