- 会期
2021.02.02―2021.07.04
- 開館日時
火曜日~日曜日
11時~16時
- 入館料
無料
- オンライン予約サイト
360度見渡すことのできるバーチャルツアーで展示を訪問
ジャパン・ハウス サンパウロは、これまでも日本を知る上で重要な「道」のフィロソフィーを紹介してきた。今回のテーマは「書道」。『DŌ (道)- 金澤翔子の道』展を2021年2月2日から2021年7月4日まで開催する(入館無料)。金澤氏にとってブラジルでの初の展覧会となる。本展では書家 金澤氏の作品を通して、書道の技術、歴史、伝統、現在の書道の在り方やコンセプトを紹介する。
日本の書道は、漢字だけではなく平仮名や片仮名を書くことで文字の美しさを表し、書き手の感情を表現する美である。日本では初等教育から子供たちに書道を教える。書き順や規則を守って書くことにより、書き手の仕草や個性によってスタイルが構築される。主に墨と毛筆を用い紙の上に文字を書くこの芸術は、書家の人生を表すとも言われ、力強さ、繊細さ、スピード、リズムや使用する道具によって作品にその個性が映しだされる。
ジャパン・ハウス サンパウロ(GF)で開催する本展では、選りすぐりの11点(掛軸10点、屏風1点)を紹介。その多くは、金澤氏が身体全体を使い大筆で書く書道パフォーマンスで制作された約2メートルの作品である。「金澤氏の作品は、書道の世界においても日本の美を強く表しています。彼女は、日本では馴染みのある伝統に深く根差した芸術である書道を、身体全体を使ったパフォーマンスで生み出し、その精神やコンセプトを彼女独自のユニークな形で見る人に伝えています。ブラジル初となる金澤氏の展示をジャパン・ハウス サンパウロで開催することができ、とても嬉しく思います」と展示のキュレーションを行った企画担当局長ナターシャ・バルザギ・ジーネンは語る。紹介する作品は金澤氏のその時の気持ち、「間」、そして表現力を重視し選定した。全ての作品において、彼女の主観が詩的に表現されており、希望に満ちた前向きなメッセージを伝えると共に、日本文化の神髄も息づいている。流動的な動きが際立つ身体全体を使った特徴的な作風や、軽快さ、バランス、卓越性を追求したこだわりもまた本展の見どころである。
展示紹介動画
金澤氏はダウン症をもって生まれた。5歳より書家である母に師事し書道を始める。20歳で自身初の展示を開催。東京2020公式アートポスター制作者のひとりにも選ばれ、多くの身体障害者の支えとなっている。また、若年層を書道に引き込み、書くことでクリエイティビティを表現させる活動にも貢献しており「書道」の世界に大きな影響を与えている。ジャパン・ハウス サンパウロは、2020年12月に開催された身体障害者に向けたオンラインイベント「Sem barreiras – 身体障害者アーティストのアクセシビリティフェスティバル」にて金澤氏の作品を紹介した。
金澤翔子について
1985年、東京に生まれる。5歳から書家である母の師事で書道を始める。繊細な書線、文字の配分や書体に独自のスタイルが際立つ、現代の日本を代表する書家。20歳で開催した自身初の「The World of Caligraphy」展をきっかけに、書家としてデビューし日本国内に知られるようになる。その後、建長寺(鎌倉)、建仁寺(京都)、東大寺(奈良)を始めとした日本を代表する神社仏閣で奉納揮毫や個展を開催。国外ではニューヨーク(The Nippon Gallery)、チェコ、シンガポール等でも個展を開催。東京2020公式アートポスター制作者のひとりに選出された他、国連が制定した「世界ダウン症の日」に国連本部でスピーチを行った経験を持つ。
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『DŌ (道)- 金澤翔子の道』展
開催期間:2021年2月2日~2021年7月4日
会場:ジャパン・ハウス サンパウロ (GF)
住所:サンパウロ市パウリスタ大通り52番地
開館日:火曜日~日曜日
開館時間:11時 ~ 16時
入館無料
オンライン予約サイトのご案内:https://agendamento.japanhousesp.com.br/